メインコンテンツへスキップ
PROFITVISIONLAB
選擇權策略

オプション売りの損切りとポジションサイズ設計:口座5%・単一1〜1.5%・Delta 0.25〜0.30で書き下す実行ルール

オプション売りの実行ルールは三つの数字に集約できる。同一銘柄の合計最大損失は口座の5%、単一トレードは1%〜1.5%、Delta 0.25〜0.30で新規建て・0.40で半分・0.55で全撤退。枚数が第一の防衛線、損切りは第二である。

5%
同一銘柄の合計最大損失上限
口座資金に対する上限であり、単一トレードの上限ではない
1%〜1.5%
単一トレードの最大損失
同一銘柄を3〜4回に分割し、権利行使価格を階層化して建てる
0.25〜0.30
新規建て時のDelta
0.40に触れたら半分決済、0.55に触れたら全撤退
×0.3
裸売り時のギャップ割引
通常想定10枚なら3枚。S&P 500構成の大型株のみ検討対象

なぜ損切りより先にポジションサイズを決めるのか?

答えは単純である。枚数はエントリー前に100%制御できる唯一の変数だが、損切りは相手(市場)の協力がなければ成立しない。

決算跳ね、指数先物のギャップ、流動性の蒸発——このいずれかが起きた瞬間、事前に置いた損切り価格は「約定する保証のない希望」に変わる。逆に枚数は、注文を出す前に自分の指で決め切れる。「損切りを置くから枚数は大きめでよい」という発想は、制御できない変数に生存を委ねる設計である。

ProfitVision LAB がオプション売りを扱うとき、全文の骨格は常にこの順序になる。第一の防衛線がポジションサイズ、第二の防衛線が損切り。原則論で終わらせず、以下のとおり金額と枚数まで書き下す。

よくある誤読:単一トレードで5%

  • 1回のトレードで口座の5%を失える計算になり、枚数が3〜5倍に膨らむ
  • 同一銘柄に複数回建てると、実質的な銘柄集中リスクが5%を大きく超える
  • 1回のギャップで口座の十数%が消える設計になり、回復に必要な勝率が非現実的になる
  • 分割建て(権利行使価格の階層化)を行う余地が残らない

正しい定義:同一銘柄の合計で5%

  • 同一銘柄の全ポジションを合計した最大損失が、口座資金の5%を上限とする
  • 単一トレードは1%〜1.5%に抑え、同一銘柄で3〜4回に分けて建てる
  • 権利行使価格を100/90/80のように階層化し、株式の分割買いと同じ発想で段階建てする
  • 最悪ケースが事前に確定するため、損切りが約定しない場面でも口座は生き残る
リスク配分は二段階のみ(保守/標準)
項目保守標準
新規建てDelta0.15〜0.200.25〜0.30
単一トレードの最大損失口座の1%口座の1%〜1.5%
同一銘柄の合計上限口座の5%口座の5%
分割回数/権利行使価格3〜4回・階層化3〜4回・階層化
減量トリガーDelta 0.40で半分決済Delta 0.40で半分決済
全撤退トリガーDelta 0.55で全決済Delta 0.55で全決済
残存日数(DTE)30〜45日30〜45日
建玉/IVの下限OI 100以上・IV 30%以上OI 100以上・IV 30%以上
裸売り行わない原則行わない(S&P 500構成の大型株のみ検討、枚数×0.3)

「積極」の段は用意しない

ProfitVision LAB のリスク配分は保守(Delta 0.15〜0.20)と標準(Delta 0.25〜0.30)の二段階だけである。Delta 0.30 を超える建て方は投機成分が上がり、長期の生存期待値が高いとは考えていないため、第三の段としては提示しない。

逆方向の誤りにも触れておく。Delta 0.10〜0.15 のような超低Deltaでの新規建ては本サイトの方式ではない。受取プレミアムが薄いぶん、1回の想定外で数十回分の収益が消える構造になりやすく、それを埋めようとして枚数を膨らませる誘因にもなる。

枚数と損切りの決定手順(米国株オプション・口座 US$100,000 の例)

  1. 第1ステップ銘柄の入場資格を確認する

    指数オプション、または流動性の高い個別株オプションに限定する。四層防御フィルターの第三層(ボラティリティ)の基準は IV 30%以上、DTE 30〜45日、建玉(OI)100以上。この三つのいずれかを満たさない銘柄は、プレミアムが魅力的に見えても対象から外す。

  2. 第2ステップ銘柄枠(5%)と単一枠(1〜1.5%)を金額に変換する

    口座 US$100,000 なら、同一銘柄の合計最大損失上限は US$5,000。単一トレードは1%で US$1,000、最大でも1.5%の US$1,500。ここで出た金額が、以降すべての枚数計算の分子になる。

  3. 第3ステップ1枚あたりの最大損失を先に確定させる

    $5幅のクレジットスプレッドで $1.50 を受け取る場合、1枚の最大損失は (5 − 1.50) × 100 = US$350。US$1,000 ÷ 350 ≒ 2.8 なので、この1回の建玉は2枚。切り上げは行わない。

  4. 第4ステップ同一銘柄を3〜4回に分けて階層化して建てる

    2枚 × 3〜4回で合計6〜8枚、最大損失は US$2,100〜2,800。銘柄枠 US$5,000 の内側に収まる。権利行使価格は100/90/80のように下方へずらし、一度に同じ価格帯へ集中させない。

  5. 第5ステップDeltaで機械的に減量・撤退する

    Delta 0.40 に触れたらポジションを半分決済。0.55 に触れたら全決済。裸売りを検討する場合(S&P 500構成の大型株に限る)は、通常想定枚数にギャップ割引 ×0.3 を掛ける。10枚相当なら3枚である。

流動性は「損切りが約定するか」の問題である

流動性を軽視した設計は、損切りルールそのものを無効化する。

ビッド・アスクのスプレッドが広い銘柄では、想定どおりの価格で降りられない。ここで起きるのは単なる「少し不利な約定」ではなく、含み益60%まで進んでいたポジションが、決済できないまま最大損失(スプレッド幅 − 受取プレミアム)へ反転するという構造的な事故である。足がすくんで逃げられない状態は、建てる前にしか避けられない。

だから本サイトが扱う対象は、指数オプションまたは流動性の高い個別株オプションに限られる。建玉100以上という下限は、収益性の指標ではなく「出口の存在確認」として置いている。

裸売りを原則採らない理由

裸売りは損失が理論上限定されないため、原則として行わない。検討対象にするとしても S&P 500 構成の大型株までであり、その場合も枚数にギャップ割引 ×0.3 を掛ける。0.5 ではなく 0.3 とするのは、ギャップを通常のボラティリティの延長ではなく別種の事象として扱うためである。

國立大學 MBA · 前金融交易所從業人員 · 產業研究員 · ProfitVision LAB 創辦人という立場から繰り返し述べているのは、この一点に尽きる——収益の設計より先に、破産しない設計を書き終えること。「我教你怎麼想,不只是怎麼做」というスローガンは、ここで最も実務的な意味を持つ。

常見問題

5%リスクユニットとは、1トレードで口座の5%まで損失を許容するという意味か?

違う。5%は同一銘柄の全ポジションを合計した最大損失の上限である。単一トレードは1%〜1.5%に抑え、同一銘柄は3〜4回に分けて建てる。5%を単一トレードの上限と読み替えると枚数は3〜5倍に膨らみ、1回のギャップで口座が致命傷を負う設計になる。

損切り注文を置いてあれば、枚数は大きめでもよいのではないか?

順序が逆である。枚数はエントリー前に100%制御できる唯一の変数であり第一の防衛線、損切りは第二の防衛線にすぎない。決算跳ねや指数のギャップ、スプレッド拡大が起きれば、設定した価格で約定しないことがある。約定しなくても生き残る枚数を先に決めるのが設計手順である。

口座 US$100,000 なら、1回の建玉は何枚になるか?

単一枠1%=US$1,000、$5幅のクレジットスプレッドで $1.50 受け取る場合、1枚の最大損失は (5 − 1.50) × 100 = US$350。US$1,000 ÷ 350 ≒ 2.8 なので2枚であり、切り上げはしない。これを3〜4回、権利行使価格を100/90/80のように階層化して建てても合計 US$2,100〜2,800 で、銘柄枠 US$5,000 の内側に収まる。

Delta 0.10〜0.15 の超低Delta売りのほうが安全ではないか?

本サイトの方式ではない。新規建ては Delta 0.25〜0.30、0.40で半分決済、0.55で全撤退という区間で運用する。超低Deltaは受取プレミアムが薄く、1回の想定外で数十回分の収益が消えやすく、それを補うために枚数を膨らませる誘因になりやすい。

裸売りをする場合、枚数はどう決めるのか?

基本的に裸売りは行わない。検討対象は S&P 500 構成の大型株までで、その場合も通常想定枚数にギャップ割引 ×0.3 を掛ける(10枚相当なら3枚)。0.5 ではなく 0.3 とするのは、ギャップを通常の変動の延長ではなく別種の事象として扱うためである。