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4 本の GARP ETF パフォーマンス比較:戦略実行の真実のコスト

GARP を自称する 4 本の ETF——RVER、SPGP、GARP、TCAF——は、「妥当な価格での成長」という同じ物語のもとで、パフォーマンスの落差が著しい。本稿は統一基準で 4 本のリターンを比較し、「同じ GARP」という三語が実際の戦略実行でどれほど異なるか、そしてそれが長期複利にもたらす真実のコストを明らかにする。

資産配分 ProfitVision LAB|米国株オプション × 銘柄深度分析 × AI 投資実践
同じ GARP なのに、設定来の年率リターンが 12 ポイント超も開きうる理由
2026.05.08 | 柴行者 | ProfitVision LAB
GARP を自称する 4 本の ETF——RVER、SPGP、GARP、TCAF——は、「妥当な価格での成長」という同じ物語のもとで、パフォーマンスの落差が著しい。本稿は統一基準で 4 本のリターンを比較し、「同じ GARP」という三語が、実際の戦略実行でどれほど異なるか、そしてそれが長期複利にもたらす真実のコストを明らかにする。

4 本の ETF 一覧

比較に入る前に、まず 4 本の ETF の基本プロファイルを同じ机に並べる。いずれも「妥当な価格での成長株(Growth at a Reasonable Price)」を自称するが、運用方式・ルール化の度合い・規模の差は極めて大きい:

RVER アクティブ · 1.27 億 AUM · 0.65% 経費率

Trenchless Fund ETF(River1 Asset Management)。2024 年上場、保有 22 銘柄、回転率 232%、上位 10 銘柄集中度 59.65%。GARP 名義+実際はテーマ・ローテーションで、保有スタイルのドリフトが深刻である。

TCAF アクティブ · 69 億 AUM · 0.31% 経費率

T. Rowe Price Capital Appreciation Equity ETF。2023 年上場、保有約 100 銘柄、回転率 36.5%。名高いミューチュアルファンド PRWCX の ETF 版である。Morningstar は Gold 評価を付与している。

SPGP インデックス · 18 億 AUM · 0.33% 経費率

Invesco S&P 500 GARP ETF。2011 年上場(GARP 指数版は 2019 年以降)、S&P 500 GARP Index を追跡し、保有 75 銘柄。まず EPS/SPS 成長で順位付けし、低レバレッジ+高 ROE+高株式益回りで複合スクリーニングする。半年ごとにリバランス。

GARP インデックス · 大規模 · 0.20% 経費率

iShares MSCI USA Quality GARP ETF。BlackRock 発行、MSCI USA Quality GARP Index を追跡、保有 147 銘柄(大型+中型)。上位 5 銘柄は Meta、Microsoft、NVIDIA、Apple、Lam Research。Morningstar 評価 Gold(2026/3/31 起算)。

核心数字:4 本の年率リターン対比

下表は、2026/3/31 四半期末時点の 4 本の ETF 年率リターンを整理し、同期の S&P 500 ベンチマークと対照したものである。RVER と TCAF は設定から 3 年未満のため、開示済み区間のみを示す:

ETF 1 年 3 年年率 5 年年率 設定来年率 vs S&P 500
RVER +5.22% +5.62% -7.87%
TCAF +7.6% ~ +13% 小幅勝ち / 横ばい
SPGP -3.76% +12.16% +10.02% +13.46% 長期 +2~3%
GARP(iShares) +19.76% +30.83% +17.80% 優位にリード 5 年で +6.3%
S&P 500 ベンチマーク +17.80% +11.5%

データ出所:RVER / TCAF は発行体公式サイトの最新開示;SPGP / GARP は Yahoo Finance、PortfoliosLab、iShares Fact Sheet。基準日は 2026/3/31。1 年区間は取得締切日の差により、SPGP は直近 12 か月、他は四半期末基準である。

可視化:設定来の複利格差(Growth of $10,000)

年率リターンだけでは複利の真の衝撃は伝わらない。下図は 4 本の ETF を「2024 年 4 月の RVER 設定日に同期して 1 万米ドルを投入し、2026/3/31 まで」という概念で粗く揃えて比較したものである(注意:異なる基期を等比化した示意であり、精密なバックテストではない):

もし同期に $10,000 を投入したら(RVER 設定来、約 2 年間)
各々の年率リターンで複利運用したと仮定した終価対比
GARP
$13,800
+38.0%
SPGP
$12,870
+28.7%
S&P 500
$12,880
+28.8%
TCAF
$12,770
+27.7%
RVER
$11,160
+11.6%
GARP(iShares インデックス)
SPGP(Invesco インデックス)
S&P 500 ベンチマーク
TCAF(アクティブ)
RVER(アクティブ)

※ 図表は簡略示意であり、相対格差の規模を伝えることが目的である。実数は取得日・配当再投資の仮定により異なる。厳密なバックテストを行う読者は Portfolio Visualizer 等のツールを用いること。

核心観察:同じ机の上で、RVER と GARP の 2 年累積格差は約 26 ポイントである。この落差が同程度の速度で拡大し続ければ、10 年後の元本差は極めて大きくなる——これが「実行規律」が複利に課す真実の価格である。

核心観察一:GARP(iShares)が現時点のパフォーマンス王者である

iShares の GARP は本比較の明白な勝者である:5 年年率 17.80% は、同期の S&P 500 の 11.5% を 6.3 ポイント上回る。インデックス型 ETF にとって、この規模のアルファを運だけで説明するのはほぼ不可能である。

なぜ iShares GARP が最も良いのか?

鍵は指数ルールが「FANGMA の保有を許容する」点にある。上位 5 銘柄の Meta、Microsoft、NVIDIA、Apple、Lam Research は、いずれも過去 5 年の AI テーマ相場の中核受益者である。指数メソドロジーは「時価総額 × 成長 × 価値 × 品質」の四次元でスコアリングし、バリュエーション閾値を過度に厳しくしていないため、大型成長株の上昇局面に丸ごと参加できる。

読者への示唆:「妥当な価格」の定義は「絶対に安い」ではなく、「成長性に対して妥当」である。NVIDIA の PER 50 倍は一見高く見えるが、80% 超の利益成長に対応すれば、GARP 枠組みではむしろ残す。SPGP はバリュエーション閾値がより厳しいため、かえってこの局面を逃した——これがルール設計の細部が結果を決める決定的影響である。

核心観察二:SPGP は長期の勝者、短期は劣後

SPGP の 10 年年率 13.04% は、同期の S&P 500 の 10.71% を明確に上回る。しかし 2026 Q1 は大幅に劣後した。原因は、直近の半年リバランスでエネルギーを大幅に減らし、その後エネルギーが反発したことである。

これは SPGP の構造的特徴である——厳格なルールが業種ウェイトを激しく動かし、短期パフォーマンスの振れを大きくするが、長期では「バリュエーション閾値」の規律が最終的に勝つ。

SPGP は CANSLIM/SEPA 枠組みに最も近い

SPGP の指数ルール:3 年 EPS CAGR + 3 年 SPS CAGR(成長スコア) → 低財務レバレッジ + 高 ROE + 高株式益回り(品質/価値スコア) → 最良 75 銘柄。これはほぼ CANSLIM/SEPA の精神(EPS 成長 + 機関投資家買い + 財務耐性)を ETF に包んだものである。「ルール化・検証可能・アクティブ銘柄選別の精神に近い」GARP エクスポージャーを求めるなら、SPGP が論理的に最も一貫した選択肢である。

核心観察三:RVER は唯一の構造的敗者である

RVER の設定来年率 5.62% に対しベンチマークは 13.49% で、累積劣後は 17 ポイント超である。この落差は短期の変動ではなく、2 年かけて拡大し続けており、戦略実行に構造的問題があることを意味する:

  • 保有回転率 232%、平均保有期間 0.43 年——GARP が本来持つ長期保有の特徴から大きく外れる
  • 実際の保有ドリフトが深刻——上位 10 に EQT(天然ガス)、CDE(銀)、CLSK(ビットコイン・マイナー)、IBRX(臨床段階バイオ)など非 GARP 銘柄が出現
  • アクティブ運用の経費率 0.65% なのにアルファを生み出せず、経費率が最高かつパフォーマンスが最悪の組み合わせである

核心観察四:TCAF は「合格アクティブ GARP」の範である

TCAF は設定来、ベンチマークを大幅には上回っていないが、すべての指標が合格水準にある——回転率 36.5%(平均保有期間約 2.7 年に相当し、GARP の保有哲学に合う)、Morningstar Gold 評価、69 億 AUM で流動性も十分。RVER と同じくアクティブ運用だが、実行品質は同じ土俵にない。

RVER と TCAF は、今回の比較で最も教育的な対照組である——同じくアクティブ GARP で経費率も近い(0.65% vs 0.31%)が、回転率は 6 倍、規模は 50 倍、パフォーマンスは桁違いに開く。「アクティブ運用」という言葉自体は何の価値も表さない。真に価値を決めるのは実行規律である。

四層防御フィルターで最終配分を判断する

この 4 本を、馴染みの規律チェック枠組みに載せると、適合性を素早く判断できる:

チェック次元 RVER TCAF SPGP GARP
規模 / 流動性 ❌ 弱 ✅ 強 ✅ 強 ✅ 強
経費率 ❌ 0.65% ✅ 0.31% ✅ 0.33% ✅ 0.20%
戦略実行の規律 ❌ ドリフト ✅ 合格 ✅ ルール化 ✅ ルール化
長期アルファ実績 ❌ -7.87% ⏸️ 横ばい ✅ +2~3% ✅ +6.3%
コア配分適合度 ❌ 非推奨 ⏸️ 衛星配分 ✅ ルール派の第一候補 ✅ 全方位の第一候補

最終配分の提案

手間を省きつつ長期でベンチマークに勝ちたい
GARP
iShares · 0.20% 経費 · 大型+中型成長
厳格なルールを好み、短期劣後を耐えられる
SPGP
Invesco · 0.33% 経費 · CANSLIM 論理に最も近い
T. Rowe Price のアクティブ派を信頼する
TCAF
アクティブ · 0.31% 経費 · 衛星配分
教育用の反例(保有は非推奨)
RVER
アクティブ機能不全の事例 · 0.65% 経費

ProfitVision LAB 読者向けの最終配分ロジック:

  • コア配分(70–80%):GARP または SPGP のどちらか 1 本を選ぶ。GARP は「設定後は触りたくない」長期投資家向け;SPGP は「ルールが CANSLIM の精神に近い」規律派向けである。
  • 衛星配分(10–20%):アクティブ要素を加えたいなら TCAF は合格選択肢である——ただし指数を大幅に上回ることは期待しないこと。価値は弱気相場での保護と長期安定にある。
  • 回避:RVER は全次元で不合格であり、保有理由がない。
結論:同じ GARP でも、実行品質がすべてを決める。「物語が良い」「マネジャーがベテラン」「経費率が妥当」では足りない——長期にわたり規律を保てるか、ルールが着実に実行されているか、保有スタイルがドリフトしないかこそが、真にリターンを決める鍵である。次にアクティブ ETF を見るときは、まず回転率と保有の一貫性を見てから、パフォーマンスを見よ。

追跡記録

日付事象判断結果
2026/05/08初回公開(4 本の GARP 比較)GARP / SPGP 推奨、TCAF 衛星、RVER 拒否

次回更新予定:2026 Q3 の各ファンド実績公表後、GARP と SPGP の相対順位が変動したかを確認する。

⚠️ 本稿の分析は研究参考のみであり、投資助言を構成しない。投資にはリスクが伴う。個人の財務状況に応じて慎重に評価すること。
データ出所:River1 Asset Management、T. Rowe Price、Invesco、BlackRock iShares 公式 Fact Sheet、Yahoo Finance、PortfoliosLab、StockAnalysis の公開資料。
Growth of $10,000 図表は示意であり、精密な歴史的バックテストではない。